那覇から車で北上すること約1時間半、沖縄本島北部・今帰仁村(なきじんそん)にある古宇利島(こうりじま)。平成17年(2005)に全長約2キロの古宇利大橋が開通し、車で行ける離島として人気を集めています。島へと延びる橋の両側にはエメラルドブルーの海が広がり、まるで海上を走っているような感覚が味わえます。また手つかずの自然がたくさん残る島には、美しいビーチはもちろん、ユニークな形の岩やロケーション自慢のカフェも多いです。
古宇利島の見どころは、なんといってもさまざまなブルーに変化する海。開通以来、沖縄を代表する観光スポットとなった古宇利大橋は、両サイドにコバルトブルーの海が広がり、まるで大海原に浮かんでいるような気分が味わえます。そんな古宇利大橋を渡って島に入ると、すぐ目の前に現れるのが島のメインビーチの古宇利ビーチです。
島の入り口から一番近いビーチであり、透明度は抜群!周辺には無料駐車場やシャワーもあるので、海水浴におすすめ。またカップルに人気なのが、2つの岩が重なるとハートの形に見える岩の「ハートロック」と、ハートロックが見られるビーチであるティーヌ浜。その岩の形から縁結びのスポットとして訪れる観光客も多いですよ。
島には手づかずの天然のビーチも多く、島の北側にあるトケイ浜では、色鮮やかな熱帯魚と一緒に泳ぐことができます。また、この浜ではキイロイガレイシという貝がいて、手でピースをしている形に見えることからピース貝と呼ばれ、見つけると幸せになれるんだとか。
そして、人類創世神話が伝わるチグヌ浜。古宇利ビーチから西に向かってすぐ。道路脇にある鳥居の向かいにあるのがこのビーチです。島の中には縁結びと子宝安産祈願の御嶽などがいくつかあって、ここもそのひとつ。日本版アダムとイブともいえる恋にまつわる伝説が残ることから人類発祥の地とされています。かつて「くい島」と呼ばれていた古宇利島はこの話にちなんで今では「恋島」としても親しまれています。
その他にも静かで隠れ家的なソウヌ浜などがあり、泳いだり、眺めたり、ビーチコーミングをしたりと、思い思いに過ごしてみよう。
古宇利島では、沖縄の昔から変わらない素朴な風景を随所に見ることができます。集落の家々を囲む白い石垣は、琉球石灰岩を積んだもので、沖縄では古くから建材として使用されたもの。また、海風に揺れるサトウキビ畑も島を代表する風景のひとつ。そして島の小高い丘にあるアマジャフバル農村公園からは、島内を一望することができます。ここには遠見番所の跡があり、遠くを見張る役割を担っていたとか。異国船を見つけると狼煙を上げ、名護そして那覇へと伝達されていたそうです。それだけにこの高台から見る景色は絶景ですよ。
平成25年(2013)にオープンした古宇利島オーシャンタワーも島の人気スポット。海抜82メートルにあり展望台からの眺めは圧巻。世界中の貝を一万点ほども展示している博物館や島の文化や風俗を学べる展示室も併設されているので、見応え十分です。
また、毎年4月には「古宇利島マジックアワーRUN」が開催されます。日没直後のマジックアワーの夕暮れの中、古宇利大橋を走るマラソン大会で、全国各地から大勢のランナーが参加します。走りきる頃には辺りが暗くなってしまうので、ゴール付近の沿道にはキャンドルが灯されるという。その幻想的な風景も見どころのひとつです。
さらに古宇利島の代表的な伝統行事に、旧盆明けの最初の亥の日に行われる海神祭(ウンジャミ)があり、日中にはハーリー(船漕ぎ競争)が開催。夏の太陽に照らされ、輝く海面を漕ぐ様子は迫力満点。翌日には豊年祭も開催されるので、島に息付く祭祀を体感することができます。